「ふたつの庭のある家」TW邸の設計中です。
お施主様のご要望は、
30畳以上のリビングダイニングキッチン、広い和室とお仏壇、
なるべく1階に機能を集中、プライバシーに配慮、駐車4台分、
なるべく1階に機能を集中、プライバシーに配慮、駐車4台分、
そして、「街で一番かっこいい家!」でした。
道路側(下)から和室、中庭、リビングダイニング、庭と連続します。
プライベートな2つの庭が、それぞれの部屋に明るい風景を届けます。
外壁は、のびのびとしたプロポーションの
コンクリート打放し仕上げです。
大きいだけでなく、かっこよく、楽しく
密度の濃い家を目指します。
「ふたつの庭のある家」TW邸がいよいよ着工しました。
今回は、沿岸地域のコンクリート打放し仕上ですので、ひび割れリスク軽減のため
一般的な基準よりも水分が少ない、硬いコンクリートを採用しました。
硬い分、コンクリートが鉄筋の間に入り込みにくいため、鉄筋の配筋時に
施工者や職人さんと打合せを重ねながら注意深く進めます。
鉄筋の太さや本数、現場で全数チェックします。
鉄筋の配筋工事の次は型枠工事です。
さぁ、いよいよコンクリートの打設工事です。
コンクリート強度、硬さ、空気量など、品質に係る全ての数値を確認します。
上からコンクリートを流し込み、キチンと下まで届くよう職人さんが総出で打設します。
硬いコンクリートは、鉄筋の間に簡単に入り込んでいきません。
バイブレーター(振動棒)を用いコンクリートの中に空隙が出来ないよう慎重に進めます。
壁の下では職人さんが木槌で叩き続けます。これも振動を与えて空隙をなくすためです。
こうやって密実で上質なコンクリートが構造体となっていきます。
無事にコンクリート打設が完了しました。
サッシなど開口部を取り付け、内装工事へと進んでいきます。
特に開口部周りは、品よく見えるよう気を使っています。
そのためには、外部のコンクリート形状と内装の形状を細かく調整し、バランスさせます。
上の2枚は外観のアクセントでもある和室の高窓ですが、綺麗にできてよかった!
鉄骨階段も入りました。いよいよ終盤です。
TW邸 ~ふたつの庭のある家~ が完成しました。
プライバシーが完全に守られた、仲良し家族の家です。
外観デザインのテーマはクールでかっこよく。コンクリート打放しです
広い庭では隣地からの視線を気にせず、くつろいだり遊んだりできます。
きちんと影が落ちるので、暑くありません。庭の奥にはBBQスペース。
堅牢なイメージですが、圧迫感が出ないよう2階部分はセットバックし、
駐車場の庇や高窓(ハイサイドライト)で軽快さを加えています。
どちらも機能的なものですが、同時に外観デザインにも役立っています。
玄関ポーチではシンボルツリーが迎えてくれます。
庇の下に2台、来客用2台、計4台が駐車できます。
玄関を入るとエントランスホールです。
外観とは趣きを変えて、グレーベージュのエイジング塗装で、温かみのあるインテリアとしました。
季節の花や絵画など、住まい手の好みが映えるようあくまでもシンプルに。
軽快な木の階段ですが、中には鉄板、手摺はスチールで、スッキリかつ頑丈を実現。
廊下は両側収納が続くので、扉も壁もタモ材で仕上げて
一体的に見えるようにしました。
続いては、2つの庭に包まれた、35畳のリビングダイニングキッチンです。
南側(左)の大きい庭はリビングと一体になる広い庭です。
北側(右)の中庭は安定した陽の光とプライベートな空が楽しめます。
広いリビングダイニングの場合、きちんと作りこまないと
大味のつまらない空間になりがちですですが、
2つの性格の異なった庭が楽しめ、南北に風も通る、
明るく開放感にあふれた楽しい空間になりました。
南側は窓の高さを抑え、庇で直射日光を遮り、暑くなりすぎないよう配慮してます。
眺めや空間を邪魔しないよう、シンプルなダウンライトと間接照明にしました。
北側には空が広がり、隣の建物は見えません。
天井は北側を3mまで上げ、中庭の先に見える
和室の軒を下げることにより、開放的な眺望が生まれました。
足元には収納を兼ねるベンチ>。ホームパーティーに対応しつつ収納力もアップします。
正面は黒でまとめた対面キッチン、夜はワインバーの趣きです。
広い庭では隣地からの視線を気にせず、くつろいだり遊んだりできます。
きちんと影が落ちるので、暑くありません。庭の奥にはBBQスペース。
続いて12畳の和室です。中庭から光を採り、道路側はプライバシーに配慮して
高窓(ハイサイドライト)を設けました。
窓の先にリビングダイニング、さらに先の庭まで視線が抜け、
家のどこにいても家族の気配が感じられます。
天井を斜めにし、収納を吊って床の間を連続させ、空間の広がりを演出。
南北から和室にふさわしい柔らかな陽の光が入り、風が通り抜けます。
お盆など多くの来客に備え、低めの窓台がベンチにもなります。
ヒバ材と月桃紙の壁紙を中心に、落ち着いたインテリアにしました。
2階は4人の子供のためのエリアです。白を基調とした爽やかなインテリアです。
階段から個室に続く場所に共用のプレイエリア、南側には広いデッキテラス、
子供同士のコミュニケーションも育まれることを願っています。
最後は水回りです。
洗面所は置き型の洗面器に間接照明でホテルライクに、
トイレは茶系のモザイクタイルでシックに、
お風呂は白のモザイクタイルでさっぱりと仕上げました。
大きい家ですが、外構植栽含め坪単価72万で抑えています。
建物高さを抑えながら開放感を上げる工夫、
闇雲に高価な材料を使わず、色のバランスで高級感を出す工夫、
お洒落で楽しい、コストパフォーマンスの良い住宅になったと思います。
ご協力頂いた皆様に感謝です。 (2018.9)
設計監理:玉那覇仁建築設計事務所
撮影:玉那覇仁
2018年09月10日