GM邸、設計をスタートしました。スタディを繰り返します。
スタディとは、設計中に何パターンものバリエーションを
検討し、最も良い案を探し出す過程のこと。
「建設費を抑え、豊かな空間を持つコンパクトな家」を目指します。
計画初期段階から建設費を検証しながら、リビングやキッチンのかたち、
個室の数をお施主様と共に考えてゆきます。
４部屋構成がよいか、５部屋構成がよいか…。
土地に対しどのように住宅を配置するかも、とても重要です。
今回は敷地に対し住宅をコンパクトにまとめ、
残りは駐車場として賃貸するようご提案しました。
（模型の白く余っている部分が駐車場です）
駐車場で年間最大５０万近くの収益が可能です。
配置だけでも色々な可能性を秘めています。
無駄の多い配置計画は、はっきり言ってもったいないのです。
そして駐車場から住宅が見えないように
プライベートな庭を配置し、リビングに明るい光を届けます！
模型を何個も作り、設計を進めてゆきます。
設計も後半戦。詳細模型、内観パースを用い、わかりやすくお伝えします。
開口部（窓）は特に重要です。敷地の半分を駐車場として賃貸するので、
いかにプライバシーを確保しながら窓を設けるか検討を続けます。
目隠しのある庭に面した大きな窓。高い天井の上には長い窓。
外から覗かれることなく、陽の光と空と緑を楽しむことが出来ます。
また、視線が外へ外へと誘われるので、
家を面積以上に広く感じることが出来ます。
設計図をまとめて相見積を依頼します。
相見積とは、信頼できる施工会社を複数選定し、
個別に工事費の見積りをしてもらう方法です。
相見積のメリットは、
・比較できるので適正価格がわかること
・競争原理が働き、頑張って工事費をさげてもらえること
建設費高騰で、予算を超過し工事に進めない物件も多いようですが
GM邸はうまくコストコントロールすることが出来たので、
無事に予算内に収まりました。
。GM邸着工しました。配筋を終え、コンクリート打設を迎えました。
事前に鉄筋の配筋チェック、修正を終えております。
コンクリート強度、品質は設計時にきちんと決めてありますが、
打設をする朝、受け入れ前に再度チェックします
。
。（指定した品質を満足しない場合、持って帰ってもらうことになります）
基礎、壁、屋根、全て同じように検査を繰り返し、安全な建物を作っていきます。
打設が終わると、一定期間を経て次に進んでいきます。
開口部（サッシ周り）は、コンクリート打設前から特に気を付けてチェックします。
おかげできれいにサッシが取りつきました！
！
外壁が塗装されていきます。
内装もどんどん進んでいきます！
もうすぐ完成です。
。GM邸完成しました。
坪単価60万のローコストコンパクトハウスです。
小さくても４人家族がゆったりと暮らせるよう
個室4つと和室１つ、約２０畳のリビングダイニングキッチンで構成し、
可愛く、品よく、プライバシー重視、かつ開放的がテーマです。
。敷地の半分以上を駐車場として賃貸しますが、
住宅を柔らかく包む花ブロックがプライバシーを守ります
。
。
扉を開けると天井高さ3.2ｍの気持ちいい玄関です。
上部の高窓（ハイサイドライト）からの自然光と、小さく設けた飾り棚、可愛いクロスが来客を迎え入れてくれます。
４つの個室はシンプルにまとめました。
。
最高天井高さ3.2ｍまでのびやかに上がる勾配天井（斜めの天井）と、
幅5ｍ以上ある横長の高窓が玄関とリビングの広がりを演出します。
。高窓の先（南側）は国道に面していますが、この窓のおかげで
プライバシーが守られた自分だけの空を楽しむことが出来ます。
。窓を開けると、屋根からの熱をさっと外に出してくれます。
遮熱塗装、天井裏断熱もしてますが、重ねて暑さ対策をしています
。
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南側の高窓と、東側の庭に面した大きい窓がリビングとダイニングに
明るい自然光を届けます。上の写真、左の壁には壁掛けTVを設置予定。
。上の写真、左の壁には壁掛けTVを設置予定。
対面型のキッチンに面した明るいダイニングです。
。和室はリビングと一体的になるよう配置したので、
リビングの延長として使えます。
。
L字型の大きな窓の先はテラスですが、白い天井が
連続して見えるよう窓の上枠を見せない納まりとし、
庭やテラスも部屋の一部として感じられるような作りにしました。
コストダウンのため、ここは天井高さを一般的な住宅より
15cmほど低くしましたが（高さ2.3ｍ）、この作りのおかげで
低さ（圧迫感）を感じることはありません。
。
対面型のキッチンからも、いつも庭を楽しめます。
目隠しの花ブロックが弧を描き、庭を包み込みます。
キッチンには冷蔵庫がぴったり納まる予定（写真左のくぼみ）。
造付け収納を大小２つ揃え、収納力もたっぷりです。
。キッチンの奥は洗面所の洗濯機置き場。
短い家事動線と、キッチンを中心とした回遊できる間取りが、
コンパクトで住みやすい住宅を実現しています。
。
リビングの奥は和室です。
白い仕上、縁なし畳でリビングとの一体感を出しました。
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精巧な細工がされた立派なお仏壇です。以前のご自宅から移設しました。
。以前のご自宅から移設しました。部分的に新しくしていますが、古い部分と違和感なく仕上がっています。
左側は障子が全て納まる収納になってます。
。壁と同じクロスで仕上がっているので、普段は収納には見えません。
可愛らしい床の間も設けました。
。
天井いっぱいの細長い窓とオープンクローゼットを設けています。
。
洗面所とトイレです。
。こちらもシンプル、かつ品よくまとめました。
沖縄県の注文住宅が坪単価７０万台後半という時代（2017年）ですが、
防水や断熱、水回りなどの品質は下げず、
ディテール（細部）や仕上のバランスを吟味し、
坪約６０万というローコストで、上質に仕上げました。
。しかも賃貸駐車場付きで収益可能です。
。ご協力いただいた皆様に感謝です。 (2017.2)
。 (2017.2)設計監理：玉那覇仁建築設計事務所
撮影：玉那覇仁
2017年02月20日
